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20年近く前の時代、日本にはしつけについての情報がほとんどなかったのもあるが、先代犬は正直しつけをちゃんとしなかった。彼は今から思えば、典型的なアルファーシンドローム(権威症候群)だった。そんな苦い経験もあって、セビルにはしっかりやろうと心に決め、色んな本を買いあさり、webを探しまくった。6ヶ月までに社会化を身に付ける必要がある。…ふむふむ?色んな音とか人とか生き物に慣れさせてあげればいいんだ。出来そう出来そう!
しかし…!出来ないのである!本に書いてある通り、アタマでは理解している(つもり)でもどうやっていいか分からない。セビルはあっという間に怖がりの鳴き虫ワンに変身した。外で大きなワンに出会うと狂ったように鳴きわめく。部屋のなんちゃってフローリングは電話中に噛みちぎられ、床に15cmの穴が開いた。網戸を勝手に開け、植物を掘り起こし、ベランダ一面にきれいに土がならしてあったりもした。腕を噛まれたら首根っこを掴んで「う〜」と唸ってみるが「きゃイン!」とは言うものの全く止める気配もなく、とうとう本気で牙を剥くようになってしまった…。
情けなかった。前述の先代犬のこともあり、私には犬を飼う素質がないのだとがっくりした。ン年ぶりに息が出来ないほど泣いた。
が、まさか返すわけには行かない。この子が幸せになるために私には責任がある。真剣にトレーニングを考え始め、またしてもwebから、タウンページまで探しまくった。実際に見学に行ったりもしたが、しっくりこなかったり、電話をかけても適当にあしらわれたりで二の足を踏んでいた。そんな中、比較的近くの室内ドッグラン「DOG
Inc.」でパピーパーティをやっていることを知り、取りあえず他の子犬達と会うことが出来るだろうということで1回のみのイベントに参加することにした。
ヤンチャ者といっても、みんな子犬はそんなもんだろうという気持ちもあったが、当日会場に着いてがく然とした。セビルは会ったこともない人やワンに囲まれ、完全にパニックになってしまったのだ。声も全く耳に入らない、おやつもおもちゃもダメ。会場がセビルのために異様な雰囲気になる。何とかレッスンが始まったものの、リラックスポジション(足の上で仰向けにさせる)すら私は取らせることが出来なかった。とうとう先生がセビルを引き取り、私は部屋の隅でただ様子を見つめることしか出来なかった。他の飼い主さんは楽しそうにワンちゃんといる。その輪の中心にセビルと先生。悲しくて情けなくて、皆さんにも申し訳なく、パーティなのに涙がぽろぽろ出てしまった。
暴れん坊将軍セビルは抵抗むなしく先生のなすがままになっていた。パーティ終了後、恐る恐る先生に「この子どうでしょう?」と聞くと、先生は「ちょっと構い過ぎですね。でも大丈夫、良い子になりますよ」と言ってくれた。希望の言葉が、確信になったのは帰宅してからだ。確実に、朝とは違うセビが目の前にいた。
そうして、翌日c.d.s
PLAY BOWにお世話になることを決めたのである。
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